新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 7/6(水) 11:22:03
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1.お粗末な工事管理は下請いじめになる
本物の原価管理を知らない管理技術者の行動は下請の恐怖である。ただ請負金額の低廉化を要求し、低価格でなければ工事を出さないと要求する。一般的にこれを下請叩きと呼んでいる。また契約や注文書も出さずに施工を先行させ完了後に、金額叩きをするような行為は悪質である。これは建設業法にも違反しているが実際にはかなり横行している。金額叩きは単価の低廉化を指しているが、単価の低価格より恐ろしい問題は時間的ロスが随所に現われることである。工事原価は単価に施工時間を乗じた金額として発生するから、管理技術者による総合工程管理の拙さによっては、下請工事の時間ロスが随所に現われる。現場で発生する時間ロスの大部分は下請に押し付けられている。例えば、工程管理の拙さによって前工程の遅延は後工程に大きく影響する。そのため後工程に手待ち時間という時間ロスが発生する。また、作業環境の関係で作業員数10人が適正作業現場であるのに、施工を急ぐあまり15人強要させる場合もあり、過剰な作業員数5人分×8時間=40時間は、結果的に大きな時間ロスとなる。これらの時間ロスはすべて下請負担の原価として発生する。これでは下請のコストが上がる一方である。長い目で見ると元請自体のコストすら下げるチャンスを失ってしまう結果となる。実行予算に神経を使い過ぎる管理のお粗末が暴露されているようなものである。
2.工程管理による時間管理が重要な理由
本来原価は、材料費を除けば時間に比例して発生するから、時間比例費の管理がポイントである。下請の原価はほとんどが時間比例費であり、下請の時間比例費の発生を防ぐことが重要で、管理技術者の工程管理が如何に重要であることを認識しなければならない。管理技術者は、発注者に対する納期管理だけに気を取られているようではいけない。下請の時間管理まで目が届くような工程管理の役割を忘れてはいけない。下請の時間ロスを軽減させることにより下請の利益が十分に確保されれば、将来下請金額低減の交渉が可能になるのである。下請の利益確保が元請の利益を上げることに連動しているのである。
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