254.日本人の真実な原価に対する考え方
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/4/11(水) 00:20:23  返信も含め全削除

1.日本人の原価に対する考え方
 実際に発生した原価を正確に集計しても、真実な原価であるということにはならない。実際に発生した原価を正確に集計することは重要だが、この実際に発生した原価を鵜呑みにすることは危険である。何故なら真実な原価とは何かという問いに対して、実際原価が必ずしも真実な原価ではないからである。実際原価にはミスやロス等で発生する費用の不純物が含んでおり、この不純物の費用を取り除かなければ真実な原価にはならないからである。実際に掛かったものが真実な原価と考えること自体が危険である。生産物の原価は、生産者の意思や行動に関係なく発生するものではなく、生産者の意思によっても影響するし、生産手段や生産方法の選択によっても大きく変動する。また生産に関する工夫や新しい生産技術が開発されることによっても変動する。特に建設現場にあっては技術者や技能者が原価を下げようという強い意思によっても変動するため、実際原価とは猫の目のように変化するものである。そのため原価の本質を知らないとコストコントロールはできないものである。

2.実際原価に混入した不純物とは何か
 実際原価に含まれる不純物にはどんなものが含まれているか。典型的な不純物はミスやロスで発生する費用である。ミスについては本人がミスをしたという意識が無ければ、ミスによって発生した費用であるという認識ができない。ロスについても同じであり自分の作業部分にロスの認識が無ければ、ロスによる原価が確認されないため、実際原価に易々と混入してしまうのである。したがって真実な原価とは、手際の良いベテランの技能者が、ミスロスなしに行った作業を基準とすべきであり、放任された状態で生産された実際原価は、真実な原価とはなりえないのである。また施工手法の選択がある場合においても、適切な施工方法を採用しなかった場合の選択ミスも、不純物の一種と考えなければならない。不純物の費用を取り除く場合に、いかに基準となる科学的原価が重要であるかの理解が必要となる。

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