257.日本経済にも苦悩が始まった
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/5/16(水) 10:37:19  返信も含め全削除

1.日本経済の苦悩が何故始まろうとしているか
 豊かになろうとする人類の行動は経済を発展させる。また人間は最低限の尊厳ある生き方ができる社会を求めているが、物質面だけを見てもその実態は、残念ながら満足できる社会がなかなか作れず悩んでいる。公平で格差のない社会を求めた共産主義の社会も、多くの人間が幸せに過ごせる社会を求めた大実験であったが、ビジネスの争いを制限した計画経済を導入した結果、国全体の経済効率が落ちてしまい、国の経済は疲弊してしまった。その結果として国民が最低限の食生活すらできない状態に追い込まれてしまい。計画経済の大実験は失敗に終わってしまったことは、歴史が示したとおりである。その反面、自由主義社会における市場経済においても、多くの歪みが常に発生しており、市場経済が激しい競争から生ずる所得格差の問題は、深刻な問題となってきた。日本も例外ではなく地域格差、所得格差が問題になり始め、確かな解決策がないまま時間ばかりが経過しており、益々所得格差が生ずる社会になる可能性がでてきた。

2.所得格差の苦悩の根源はどこにあるか
 近年の所得格差の根源は、グローバル化した社会の経済活動に起因している。近年の市場経済の激しい競争は、地球上の市場が一体化して動いており、しかもリアルタイム起きる激しい市場経済の競争は、人為的な行動である政治の力を上回ってしまった。日本の高度経済成長時代は、政府の強い規制の中の経済成長であったため、地域格差や所得格差等、格差社会を回避しながら平均的成長ができた時代であった。そのため80%の国民が中流意識を持てた時代であり、所得もベースアップ方式による平均所得の底上げ方式が機能したのである。このような平均所得アップの事例は、世界の市場経済社会において初めての経験であり、日本にとってはラッキーな環境であった。これは、規制を含めた政治の力と市場経済の力が均衡していたからであり、今日のように経済の動きが政治の手を離れ、かつ政治力を上回った経済活動の時代に出現した多国籍企業や無国籍企業は、益々政治の手を離れて強大な力を持ち始め、所得格差の根源となってきた。

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