315.原価計算は厳しく査定を
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 08/7/30(水) 16:35:18  返信も含め全削除

<アンケートの意見に>
 専門技術者養成講座のアンケートに「必要ない人間は現場に入れるな。という説明があったが、作業員を休ませて金を払わないのは会社は良いが、作業員に死ねというのか。やはり現場に来てもらって、仕事を探してもらうより仕方がない。休ませてばかりでは、作業員は他の会社にいってしまう。最後は会社が続かなくなる。」いう意見があった。この意見は、研修中の解説の仕方や説明不足に問題があり誤解されたようである。類似の意見が多数あり説明の不適さを痛感している。

1.不純物の排除が原価計算の神髄
 作業員を必要な人数だけを投入すべきという理由は、原価を正確に把握するためには重要なことである。雇用した作業員に賃金を払うのは当然であり、支払わなければ雇用契約違反で法的に問題である。研修会での内容は、原価計算を最適化するためのもので、現場の作業環境が5人しか必要としていない現場(5人しか現場に入れない環境の現場)の場合、仮に10人の作業員が現場に入っても作業はできないため、労務費だけが5人分コスト高になる。その結果原価計算が正確に把握することができない。これでは後々の予定原価算定の参考資料にもならない。余剰の5人は次の現場の待機であるから、本社で待機すべきであり、その結果本社での待機中の労務費は、原価計算の対象外の費用となるのである。原価外労務費の経理処理については、各種の処理方法があるがここでは触れないことにする。

2.よく見かける光景
 前記のような待機時間を作業員が本社で休憩している時に、社長や幹部が、「遊んでいるなら現場で手伝え」との怒鳴り声を聞くことがあるが、社長としては賃金を払っているのに遊ばれることが気になるのは当然である。しかし現場に行ったとしても仕事ができる環境ではないから、余剰の人員は現場で遊ぶことになる。結果的に労務費が加算され原価が不正確になり、原価計算の信頼性までも失う結果となる。正確な原価計算は、コスト縮減の貴重なデータとして後日利用するものであって、曖昧な原価計算を容認することは出来ないのである。実際に必要な適正原価と、余計に掛けてしまった原価とは全く別のものであって、これを混同してはならないのである。

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