新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 08/9/5(金) 09:47:53
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<アンケートの意見に>
専門技術者養成講座のアンケートに「ネットワーク工程表によるコスト管理は、昔からあったように思うが、十分に活用されていなかったようだ。現場の施工を停止させない取り組みが必要だと感じた。」いう意見があった。この意見は、あらためてネットワーク工程表の重要性を再認識したという意見である。この意見の重要なことは、確かに以前からネットワーク工程表による管理手法はあったのであるが、昔は、工期管理が目的であって、発注者への納期に重点が置かれていたのである。しかし今日の施工現場は、建設機械のレンタルコストのウエイトが高まり、時間比例費が増加してきたことによって、時間管理を中心にせざるを得なくなったのである。時代の変化と共に工事管理の手法も変えなければならないのである。
1.工程管理の目的
初期の工程管理の目的は、先に述べたように工期管理にウエイトがかかっていた。それは発注者との間で納期が契約書に書かれているからである。社会的に施工業者が信用される条件は、品質(近年の品質は、材質や鉄筋等の数量、体積、面積等の物理的適正さはもとより)や品位品格を求められ、更に決められた納期の厳守が特に重要である。そのため、現場の技術者は工事の完成時期が常に頭から離れない。工期の遅れは心配の種である。そのため工程管理の第1の目的は、計画通りの工期で施工されているかにウエイトがかかるのである。
2.近年の工事原価費目の性質が変化した
近年の工事原価費目の性質は、材料費を除けば大部分が時間比例費に変化してしまったのである。作業員の賃金は、1日当りの賃金計算であるから典型的な時間比例費であり、原価の大きなウエイトがかかる建設機械のレンタル料も時間比例費である。ここで注意すべきことは、外注費の性質である。下請企業と外注契約するから時間固定費であるが、下請企業にとっての工事原価の内容は、時間比例費にウエイトがかかっていることを注意しなければならない。したがって元請の工程管理の適否が下請企業のコストに連動しているのである。そのため元請の技術者は、下請企業の工程管理についても責任があることを認識しなければならないのである。
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