新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 08/9/10(水) 15:36:55
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<アンケートの意見に>
専門技術者養成講座のアンケートに「数量でコントロールすることを念頭におくことで、工程表活用の実効性が上がることが分かった。」いう意見があった。この意見は、従来型の原価管理が、実行予算中心の金額管理では、原価管理の実効性が上がらないことが理解でき、金額管理の欠陥に気がつき、数量管理の重要性を認識できたという意見である。
1.金額管理の欠陥を認識すること
実行予算制度は、予算管理であるから金額によって管理するものである。では金額管理とはどのようなものであろうか。金額は数量に単価を乗じて算出するものである。そのため数量に関する情報と単価に関する情報の2つの情報が混在していることを認識しなければならない。この2つの情報は共に異質な要因で変動するものであり、2つの情報を混在化させると情報が劣化してしまうのである。工事量が確定している場合の例として、予定以上に材料の消費量が多い場合、施工上のミスによって余分な材料が消費される場合等は、現場の人為的なミスによって発生するものである。これは適切な工事管理によって避けることができるものである。これに対して単価は、市場の変動によるものや、企業の支払条件によって変動するものであって、現場の工事管理で変動するものではない。つまり現場の工事管理の良し悪しには関係ないのである。このように金額管理は、異質な情報が混在してしまう欠陥があるのである。
2.数量管理の重要性
数量管理の重要性は、労務費で言えば作業時間であり、建設機械であれば機械施工時間で発生するレンタル期間である。これらについても労務費単価やレンタル料の単価は、市場の相場で変動するものであり、現場で誘導できるものではない。これに対して、作業時間や建設機械等の施工時間は、段取りや効率よい施工管理によって、適切な時間管理が可能なものであり、現場の技術者の管理下で誘導できるものである。つまり、上記の意見にあるように、数量をコントロールする重要性の意識が無ければ、コスト縮減は簡単には誘導できないのである。工程表は時間データをベースにした数量管理の道具であり、数量管理の重要性の認識ができたひとには、重要な道具となるのであるのである。
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