新規投稿者 高津徹太郎
投稿日 10/20(月) 22:15:50
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(10)竣工後のデータ整理
各種の支援データはラク(効率的)に使うために標準化を目指すようにする。データは分けてまとめて整理(標準化)することが基本である。
@要素作業名を標準化する
工程支援システムのみならず、施工全般を統合化する“施工支援システム”に発展させる場合でもデータ検索のキーワードは作業名が扱いやすいであろう。支援データを分類する時は初期の段階からこれを意識し作業名の標準化を図るべきである。現在でも“実行予算”や“見積書”のたぐいに用いられている標準的な作業名が有るだろうがそれらと支援システムの“目的”は明確に異なる。そのため、現在使っている作業名をそのまま使おうとすると不具合が生じることになる。つまり、初めは既存の作業名のままでも工程表に使えるかも知れないが、実情データが揃い支援システムの理解が進むと不具合を感じるようになる。不具合を感じたら支援システムが正常に動き出した証拠でもある。作業名に不具合を感じたなら変更や細分化することをためらうべきではない。
A要素作業別に実情データを分けてまとめる
作業が同じでも作業量の多少によって一人当たりの生産性(歩掛)は何倍も違うことがある。また、作業現場の土質や広さなど現場条件においても同様な違いが見られる。このため作業量毎や現場条件毎にデータをまとめ標準値を設定しておくことが必要となる。
データ整理は当初、実行予算などの歩掛と似ることはやむをえないだろう。実行予算書は予算獲得が主目的であるため、使われる歩掛はコストダウン追求とは異なるのである。しかし、支援システムは“最善計画を立てる”ことが目的であるため、これを進めると効率化の追求、つまり、コストダウンへと向かうのである。このため、利用する言葉や係数は似ているが、根本は違ったものを扱っているという意識を持ち続けることが大切である。
B一連作業毎の標準化を図る
工程支援システムの体験段階では“小型・類似・繰返し受注する物件”を中心として行うこととした。この時、強引ではあるが最初の実情データを標準工程表第1号と呼んだ。それでもこの種の工事なら類似性が保てるだろうし、多少異なる部分が有っても小型であるから問題とはならず、新規工事の計画に役立てることができたであろう。
しかし、中型工事から大型工事の工程表を標準化する時は、工事全体の標準化を図り再利用に当てることは困難であるため、工事を構成する一連作業毎に標準化するようにする。つまり、工事の一部分の標準化を目指し、建築工事なら杭工事、基礎工事、躯体工事などであり、土木工事ならボックスカルバート、マンホール、用排水のコンクリート装工、上・下水道埋設工事の1日工程などを標準化するのである。これらも、要素作業の時に準じ作業量や作業条件などによる分類を行って標準工程表を作るようにする。
C工事種類毎に分けて標準工程表を作る
標準工程表はイージーオーダー型である。工事の種類・構造・内容などを基準に型見本を用意するつもりで標準工程表を作るようにする。この時の区分けは、マンションであれば鉄骨造やコンクリート造であり、道路工事では橋脚工事やトンネル工事であり、区分け毎にいくつかの型見本を用意する。いずれにしても得意分野は受注が多くデータが集まりやすいと腹をくくる必要がありそうである。
なお、工程表の表現は部位別工程表と作業別工程表に大別できる。多数の人が利用する標準工程表の性格から言うと、工事内容が分かりやすい部位別工程表で表現することが良いであろう。 |