返信 1 高津徹太郎
投稿日 1/19(月) 09:32:20
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(20)担当者の活動環境作り
新規システムを導入するにはプロジェクト(PJ)メンバーが先遣隊となって取り組むべきである。また、このPJ活動を成功させるにはメンバーが活動しやすい環境を作ることが大切である。
@従来基準でPJメンバーを評価するなら、(PJ活動分だけ余計で損になるから)挑戦者がいなくなる。
A環境作りはPJ活動の成否に関わるため最高経営施策の一つになる。PJ活動中は期待感を送り続ける。
B環境作りとして、PJ活動に見合う業務の削減と共に、結果の責任は全社で負うことを表明すべきである。
C経理データを含む従来資料の作成は、管理データを使って応援部隊が作るようにする(労賃支払データは別処理)。
(21)ネットワーク工程表を知る世代
工程支援システムの導入にはネットワーク工程表の理解が必要である。ネットワーク工程表の流行は1980年頃であり、この頃の現場技術者は何らかの研修のチャンスがあった。しかし現在、40代より若い担当者にはネットワーク工程表の研修会の経験がほとんど無いことに注意すべきである。幸い、40代よりも若い世代の人はパソコン操作に慣れている。パソコンを使うとネットワーク工程表の理論の中で面倒と言われる時刻計算をソフトがカバーするため、これらの人達には半日程度の「描画理論」の研修を行えば良いだろう。つまり、描き方が分かりパソコン操作ができれば、ネットワーク工程表が使えるのである。
(22)真の品質管理と支援システム
施工管理とは日々の業務で行う「良い物を安く作る活動」を言うのである。例えばコンクリートの品質管理は次のようになる。
@鉄筋組立作業のマニュアル化を行い、実施時には標準作業を維持する。
A型枠組立作業のマニュアル化を行い、実施時には標準作業を維持する。
Bコンクリート打設作業のマニュアル化を行い、実施時には標準作業を維持する。
Cコンクリート打設時に、同じ状態の供試体を採取し、同じ状態で養生し、この破壊試験によって強度データを収集する。
Dコンクリート製品の寸法や仕上がり状態のデータを収集する。
E収集データから目標品質を維持した上で更に安く作るため、鉄筋組立作業・型枠組立作業・コンクリート打設作業・養生作業・コンクリート配合設計などの検討を行い、次回のコンクリート打設に役立てる活動をする。
以上を行うため、ISO9000でマニュアル化を求めるのは当然である。だから、鉄筋組立・型枠組立・コンクリート打設・養生などの作業方法を下請に任せ、供試体の採取や圧縮試験を生コン業者に任せ、試験結果表を集めるだけでは一つも品質管理に役立たず管理効果も出ないのである。
支援システムが動き出すと(毎日これを使うために)自然とパソコンを使ったシステム利用に慣れる。パソコンを毎日使うなら忙しくなるかというとそうではない。毎日の施工管理に支援システムのデータを使って「良い物を安く作る」シミュレーションができるので、正確な決断を早くできてむしろ余裕が生まれるのである。
施工管理を普通に行えば、管理データはパソコンに記録されるためこれによって報告書類が作れて当然である。但し、一挙にはできない。不完全でもかまわない。やれる所から始め、目標に向かって進化させながら取り組むのがポイントである。 |