新規投稿者 高津徹太郎
投稿日 6/27(火) 15:47:38
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1.WBSに疑問を感じるか?
建設業界に工程管理の重要性が広まり、PM(Project Management)の研修会が多くなってきた。一般的なPM研修会ではWBSを使い作業を洗い出し工程計画を立てる。この時、WBSは全く初めて(実績データが無い状態)のプロジェクト計画に使うことや、既に類似プロジェクトを実施している場合はWBSに頼らず、前回実績を参照し計画すれば実態に合う計画をラクに作れることが暗黙の内に了解されているのである。
建設工事の場合、工事毎に立地条件が異なるため工程表の標準化はできないと思いがちである。しかし、工事を細分化し要素作業に分ければほとんど経験した作業になり未経験はほんの一部に過ぎなくなる。このことについて、既に担当技術者は分っている。だからこそ予算を組んだり施工業者と価格交渉をしたりするのである。相当部分が類似しているからこれらができるのである。
まず工事は似ていると思えるとWBSを毎回使うことに疑問を感じることができるようになる。
2.工程管理は未踏の分野
工程管理は時間軸の管理によって良い物を安く作ろうとする技術である。その時、今迄の我々は“工期内完成”には対応してきたが“工程管理”は未踏の分野だったことに気付いて欲しい。ナゼならば管理効果(原価削減効果)を上げている特定企業が報道されていないからだ。本来の工程管理を行うと大幅な原価削減効果が出る。現場の四大管理のうち時間管理は効率化に直結し、最も大きく原価削減できる分野である。このため真の工程管理を行えば黙っていても(トヨタ自動車のように)社外にも知れ渡って当然なのである。
3.ネットワーク工程表の機能を活かすには
ネットワーク工程表で工程管理をする場合、工期全体を通して“要素作業”で計画を作らないと工期短縮や山崩の検討ができない。また計画は当然、着工前に作るものである。つまり、単にネットワーク工程表のような全体計画を作り施工直前に月間工程や週間工程をWBSで作るならば、納期調整しかできず管理効果は出ないのである。
4.自ら判断しよう
我々は権威者の話を鵜呑みにしやすい民族性(正答だけ教える教育の問題か?)が有りそうだ。そのためか流行語などを盲信しやすい。著名な企業や雑誌が他産業の手法を建設業に当てはめることにも注意が必要である。
品質管理や工程管理など“全ての管理”は管理効果として“原価削減や技術蓄積”を促すものである。管理を行うには工事の類似性を探し(標準化を図り)、次の工事に使える(管理サイクルを回せる)ようにまとめる必要がある。“管理効果”を考えずに認証維持のためだけのISOなら止めるべきだろう。
工程管理の目的は原価削減である。しかし、工程管理はこの先ISOの二の舞になるおそれがあるから注意が必要である。提案システムが“真の管理”であるか自問しよう。当然だがこの投稿に対しても同様である。疑いながら読み、疑問点は納得いくまで調べ、最後は「その手段で目的が果せるか?」について自ら判断すべきである。更にもう一つ。判断基準は「我社では出来るか?」ではダメである。なぜなら他社が大幅な原価削減をすれば我社は負け組になるから。
“良いものを安く”の方策を使い、「我社での実現方法」を考え実行することが勝ち残る方法である。
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