新規投稿者 三木伸哉
投稿日 10/10/27(水) 06:28:33
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旅順からの「坂の上の雲」15
登場するさまざまな人物像(軍神 広瀬武夫)
旅順口の閉塞作戦(老朽船の戦艦を横倒しして敵船の侵入を防いだ)といわれる広瀬武夫は、日清日露の戦いにおいても、まさに傑出した海軍少佐であり、死後中佐に昇進した人物で、語りぐさになっている。
広瀬が指揮を執る「福井丸」が敵の魚雷を受けて沈みつつあった。退避しようとしたが、部下の杉野の姿が見えない。上等兵曹の杉野である。
広瀬は杉野を捜すため、沈没寸前まで船に残り、ボートで帰還する敵弾に倒れた。その悲話は国定教科書や、文部省唱歌に取り上げられて、広瀬は軍神と讃えられた。このような美談は戦意高揚の国家の目的でもあった。
英雄の最期は唱歌でこのように歌われて、戦時下の少年達の胸を熱くさせた。
とどろく砲音 飛び来る弾丸 荒波あらう デッキの上に
やみをつらぬく 中佐の叫び 杉野はいずこ 杉野は居ずや
将来を嘱望されたエリート軍人は、サンクトペテルブルグの留学経験もある。そこでロシア貴族令嬢と恋に落ちる場面も展開される。自ら志願してロシアに入国して、ロシアの国情、ロシア語を学ぶ。
ノーブス・オブリジエ(貴人の義務、率先垂範)を体験していく姿は圧倒される思いである。まさに当時の日本人の軍人のシンボルとして描かれている
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